いわゆる「選択的夫婦別姓制度」の導入で、「子どもの視点に立った議論を」という要望書を国会議員たちにに提出
いわゆる「選択的夫婦別姓制度」の導入をめぐり、民法改正案が次の国会に上程され、短い審議で通ってしまう怖れがあるため、26日は朝から上京して衆参の議員会館を周り、「子どもの視点に立った議論を」という要望書を提出してきました。制度変更でいちばん大きな影響を受けるのは、父親と母親の姓を別々に受け継ぐ可能性がある子どもたち。しかし、それについての議論がほんとんど行われていないからです。
この制度変更、「選択的」とあるので、多くの人が「好きな人だけそうすれば…」と思っているかもしれませんが、実は現行法でも、婚姻後どちらの姓(名字ですね)を選んでもいいのです。そこに不平等はないのです。つまり、夫の姓に変える人が多い原因は、法にではなく、日本の文化・慣習にあるということです。そうした現状を、法律を変えることで強制的に変えようというのは滅茶苦茶な話です。
制度変更が行われると、親たちの都合で、兄弟の姓が違うという家庭も生まれます。そして、次の代の結婚でまた違った姓が入ってくる、その繰り返しが続くという家系も出てきます。過去と現在との間に要らぬ分断を、同姓夫婦と別姓夫婦の間に要らぬ距離感を生み出さないでしょうか?、そこの子どもは自分のアイデンティティーがどこにあるのか解らなくなりはしませんか、そこで要らぬ精神的負担を感じるのは子どもではないですか?
加えて。これまでは選べなかったものが選べるようになるわけですから、子どもが姓を選ぶ権利はどうやって担保するのでしょう。生まれた時に親が決めた姓について、それでいいのか悪いのか、どこかで子どもに意思表示させないといけません。時期はいつなのか?(18歳になった時なのか、あるいは20歳になった時なのか?)。ただ、現実的な話としては、18歳まで名乗っていた姓を、その時点で変えるという選択をする人は少ないでしょう。
となれば、親が生まれた時点で実質的に子どもの姓を選んでしまう、ということです。つまり、この「選択的夫婦別姓制度」は、別の角度から見れば「強制的家族別姓制度」でもあるのです。それを避けるため、別姓論者たちは「20歳まで無姓」で生活してもらうという、奇妙奇天烈な制度まで導入する気なのでしょうか?。そういった子どもの人権についても、まったく議論の俎上に上っていません。
これまで欧米や中国、朝鮮半島は別姓だ、国連がどう言った、といったニュースが流され、日本は遅れている、制度変更することがさも進歩的な制度を導入するかのような印象操作が行われてきました。しかし、他の国の別姓制度は違う理由でそうなっているだけなのです。それなのに、それには敢えて触れません。
この問題をめぐっては「大人の女性の不利益の解消」も言われます。しかし、それについては既に、パスポートの表記や銀行口座の開設に旧姓が使えるような制度改革が着々と進んでいます。それでも別姓を叫ぶのは、いま生きている夫婦の「自分の自由」を優先させたいからで、子どもたちにそんな重荷を背負わせて平気なのでしょうか。
制度が変われば、全国民に影響を及ぼすこの問題。皆さんにとっても他人事ではありません。民法改正案は衆参両院の法務委員会で審議されます。衆議院は浅野哲議員(国民民主党)と島田洋一議員(日本保守党)、参議院は自民党の北村経夫、山谷えり子、山田宏、岡田直樹、永井学といった自民党の議員の方たちの事務所を周り、子どもの権利という視点からの議論を委員会で尽くした上で採決をお願いしたいとの要望書を届けてきました。
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