市議会「産業建設委員会」の行政視察、最終日12日は足利市
今回の市議会「産業建設委員会」の行政視察、3日目の12日は栃木県足利市です。人口は14万強。隣接する群馬県桐生市は「西の西陣、東の桐生」と呼ばれる“繊維の町”。足利市も織物業が盛んで「足利銘仙」の産地として知られます。いや、驚きました。その「足利銘仙」の半被を着て、足利市議会のメンバーが市役所の正面玄関で我々を出迎えてくれたのです。
足利市で我々が学ぶ対象は、足利市が独自開発した「市民参加型の水道メーター検診システムを備えた水道アプリ」、ちょっと変わり種です。なぜ、足利市はそんなアプリを開発したのか?、まずはそれなのですが、それは足利市もご多分に漏れず、検針員の高齢化などで人員不足が表面化しているからです。
足利市では現在、市の委託を受けた30ー70歳代の検針員28人が約4万個のメーターを検針。ただ、半数以上が60歳超で、10年後の平均年齢は75歳となること、守備範囲は市街地から山間部までと広く、在宅時の検診を求める要望などもあって、隔月で各家庭を訪問する現状の体制維持が困難になる可能性が高いのです。一方で、報酬は1軒50ー70円の出来高制で、報酬を上げるには水道料金の値上げが必要で、それはそれでハードルが高いわけです。
そこでアプリの登場、というわけです。アプリは市民が自らメーターの数字を携帯電話で読み取り、市のサーバーに送るためのもの。市民に検針の作業に参加してもらうことで、自動でデータを送るテレメーターが各家庭に行き渡るまでの、検針員不足をなんとか乗り切ろうという作戦です。
また、メーターの読み取り機能に加え、アプリからの水道使用量や料金の履歴確認、オンライン決済も可能になります。普及が進めば、検針票や納入通知書自体が不要になる、さらにその先、テレメーターが普及すれば無人化が進んで経費を大幅に節約出来ます。そこまでの繋ぎを担うアプリの試作版は、東京都内の企業に99万円で発注したもの。この3月から市の職員約40人がアプリの実証実験に取り組んでおり、その範囲を市民向けに拡大しながら、2025年度以降の本格運用をめざしています。
さて、足利は足利氏発祥の地であり、フランシスコ・ザビエルが「坂東の大学」、その後にルイス・フロイス が「日本全国で唯一の大学」と表現した「足利学校」もあります。そしていまは何より、「あいだ・みつお」の町としても注目を浴びています。独特の書体で書かれた「人間だもの」などの作品、色紙やカレンダーをお店などでよく見かけますよね。
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