なんとも不安な、嚮陽会館の今後
きょう21日、鯖江市議会の6月定例会が閉幕しました。その会期中、私もメンバーになっている「特別委員会」が二つ開催されました。一つが13日に行われた「嚮陽会館複合交流施設整備特別委員会」、もう一つは17日に行われた「さばえの未来に向けた特別委員会」です。
前者の「嚮陽会館複合交流施設整備特別委員会」は、建物の中に全天候型の遊戯施設を併設するという「基本計画」が策定され、今後の施設整備に向けて、予算審議や理事者と協議するために起ち上げられた委員会で、抽出メンバーで構成される委員会ではなく、議長を除く19人全員が参加する(委員長は遠藤副議長)大きな委員会です。この日は次のステップである「基本設計」を進めるための予算を認めるかどうか、それを審議する委員会でした。
基本設計に入らなければ、改築のための予算額もハッキリ決まらないわけですから、理事者側がその承認を急ぎ求めるのも解りますが、理事者側のいう“複合交流施設”の将来像について議員がフリーに質問する場はこれまでなかったこともあり、議員たちから質問が相次ぎました。
私も「どれくらいの来場者を見込んでいるのか?」、「西山エリアの一体開発は考えていないのか?」、「その中でどういう役割を担うのか?」と、たくさんの質問しましたが、来場者の人数についての答弁が二転三転、チグハグで要領を得ない答弁もあり、質問が続く中で次々に新たな疑問が沸いてくるといった具合で、理事者側のシュミレーション、見通しの甘さが露呈する結果となりました。
嚮陽会館の整備については、地元の声を拾うため、理事者は早くから「嚮陽会館複合交流施設整備検討委員会」を起ち上げていました。建物を抱える地元、私が区長を務める桜町区からも、3人の副区長が随時参加。市民の声を十分に拾ってくれているのではないか、という想いもあったのですが、それらが基本計画に十分に反映されているとは言い難いのです。
また、基本計画には、NPOセンターの機能を嚮陽会館に移転させるとあります。しかし、そこを拠点に活動してきた市民団体からは、移転先に共用スペースしかないことから反対の声が上がっており、6月定例会には「NPOセンターの現在地での存続を強く求める請願」も出されています。そして、この時点で、それを審査する総務委員会で既に「継続審査」という議決が出ていました。
牧野市長時代、そうした団体が市の施策の担い手となって活動してもらうことを「市民主役」や「市民参加」という言葉に置き換えていたのではないか、佐々木市長も、それを「市民力」と呼んでいるのではないか…。理事者自らがこれまで“まちの主人公”としてきた人たちとの話し合いが順調に進んでない、という印象を持たざるを得ませんでした。
質問が止まないことを受け、このまま採決に進むのは難しいという遠藤委員長の判断で、委員会は急きょ休憩に。休憩中に委員長、副委員長、議長と理事者の話し合いが行われ、そこで、今後は議会からの提案を織り込みつつ作業を進めることで合意。再開後に採決が行われ、賛成14、反対5で可決されました。私は理事者内での情報共有や方向性の取りまとめ方が十分に行われておらず、そこを詰めてから再提出すべきとの想いから反対票を投じました。
議会と理事者の話し合いで合意された約束がこれからきちんと履行されるのか。議会側からの提案が、また、想いがどこまで反映されていくのか…。今後も議論百出となります。21日の本会議最終日の討論で、石川市議から「鯖江駅東口、神明苑に続いて」との発言がありました。迷走することがないよう、しっかりと見つめていきます。
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