鯖江ロータリークラブで卓話


いや、24日の「手嶋龍一トークライブ」を終えて、丸2日寝込んでしまいました。まだ微熱はありますが、取り敢えず声が戻ったということで、きょうは予定通り鯖江ロータリークラブへ出掛けました。卓話のゲスト・スピーカーです。当初は安倍政権の教育無償化の駄目さ加減について話すつもりだったのですが、注目の南北首脳会談当日ということもあり、急いで資料を作り、朝鮮半島情勢について話しました。





今回の南北首脳会談、韓国側は、米朝首脳会談に繋がるよう、自らその“前座”と位置付け、それを公言しています。文政権はかつてない親北政権ですから、それこそ北の機嫌を損ねないよう、下にも置かぬ扱いで進んでいます。となると、歴史的な米朝会談が実現する可能性が高いわけです。では今後、どんなことが話し合われていくのでしょう。

今回の会談に合わせ、北は以下のように述べています。❶金体制が保証されるなら「核保有する理由はない」、❷段階的で歩調を合わせた措置を講じれば、「朝鮮半島の非核化」の問題は解決出来る、❸核の脅威や挑発ない限り、核兵器は絶対に使わない、この3つです。ここから感じ取れるのは、北はもう自分が核保有国という立場で物を言っている、❸でそれがハッキリ解ります。その❸からは同時に、「核はずっと保有する」と言っているわけです。

それは、❶からも解ります。核を保有する理由がなくても、核を放棄するかどうかは別、という組み立てなのです。❷はもっと厄介。日本人の間では、朝鮮半島の非核化=北が核を放棄すること、というイメージがありますが、朝鮮半島の非核化とは、北が核を放棄すると同時に、韓国をカバーしている米国の核の傘を取り払うことなのです。だからこそ、「段階的で歩調を合わせた措置」という文言がその前にあるわけです。そうなると、在韓米軍をどうするか、という問題に踏み込まざるを得ません。在韓米軍の撤退は、韓国から安全装置を外すことです。これはもう、簡単な話ではありません。

そうやってみてくると、歴史的な米朝首脳会談が行われたとしても、事はそう簡単に解決されないことがハッキリします。米朝首脳会談にしても、米国にとっての最優先課題は、自国に対する脅威を取り除くこと、つまり、米国本土に届く大陸間弾道弾を持たないという約束を取り付け、その約束がちゃんと履行されるかどうかチェックできるようにすることですから、そこばかりが話し合われて、後は後日、ということになりかねません。それだけでも、「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプ大統領にしてみれば大成果。再選に向けた大きな手柄になります。そこに注力して、日韓に照準を合わせている近距離、中距離ミサイルについては後回しという展開も危惧されます。

こうやって考えていると、南北、米朝の会談が立て続けに行われるといっても、そこから生まれてくる新たな局面は、日本にとっては厳しいものになりそうです。米国と北朝鮮の間で武力衝突するような事態も困りますが、日本の頭越しに米国と北朝鮮が急接近というのも困ります。一方、「半島の非核化」を通じて、朝鮮半島に対する米国の関与が減ることは、同時に半島への中国の影響力がさらに高まることを意味します。そうなると、南北統一の青写真も、中国の後ろ盾を得ることで青写真でなくなるかもしれません。いずれにしろ、日本は置いてきぼりです。唸りますね。

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